元通りになんてできない
答えは継続中
「勇ちゃん、待って〜。待ちなさ〜い」
靖子さんが追いかける。
「ハァ、もう、追いつけないわ。走るのも速くなって…ハァ。
いい天気ね…、気持ちいいわ。
広くて綺麗な、いい公園ね」
「はい、ここは知里ともよく来ました」
「…そう」
「おかあさん!」
「な〜に、勇士」
「せみのぬけがら?」
「そう。綺麗なままね、何処にあったの?」
「あそこのきだよ」
「そう」
「まだあるかも。みてくる」
「あまり奥に行かないでね」
「わかってる!」
「子供はあっという間ね。どんどん大きくなるわ。
私はどんどんお婆ちゃんだわ」
「大丈夫ですよ。
お婆ちゃんて呼んでないし。
まだまだお若いですよ?」
「そう?」
「はい」
「ちょっと勇ちゃんのところ、行ってくるわ!」
靖子さんは、猛君のお母さん。
勇士は靖子さんの孫だ。
この繋がりは変えようの無いモノ。
何だか不思議な関係性が続いている。