元通りになんてできない
元通り≒俺達
何を取り繕う事も出来ない。
酷い事、どうにもならない事を告げようとしている。
きっと傷付けてしまう…。でも、話さなきゃいけない。
【幸元君、話があります。 鷹山】
ふぅ…。
とうとう来たって感じだな。軽いなら、軽いを通すか…。中途半端ななり切れない大人より、それがいいだろう。
【了解です。で、どこにします?個室カフェがいいですよね。俺、待ってます。 幸元】
はい、送信。と
…クソッ…クソッ。俺のくそったれ。弱虫。言われることは解ってる。
はぁ…。泣くなよ。せめて、そこくらい踏ん張れ。
全部大人になれなくても、そこくらい頑張れ。
俺は、お父さんなんだ。
…これでも。勇士の父親なんだから。
「…はぁ、こんばんは」
「いらっしゃいませ。奥でお待ちですよ」
「あ、有難うございます」
走ってきた。息が上がっていた。
ドアが開いていた。どこだ?…ここか。
「遅くなりました。待ってるって言ったのに待たせてすみません」
「ううん、そんなに待ってないから、仕事だから仕方ない事よ…。気にする事では無いわ。
…あのね、幸元君」
「待ってください。ちょっと、待ってください」