元通りになんてできない
プロポーズ
「俺ら、そろそろ結婚する?」
「え〜、もしかして今のがプロポーズ?私、サプライズみたいなのがいい〜」
「あ?別に意識して言ったんじゃなくて、今のは確認みたいな事だよ?
マナミは結婚する気あるのかなと思ってさ…」
「あるに決まってるよぉ。
早く結婚してぇ、仕事辞めたいしぃ、うちの近くに住んでぇ、最初はお母さんにご飯作ってもらいたいし。
結婚までに料理教室にも行きたい、みんな行ってるって言うから。
あとね、式は北海道のね、ここ、この教会でしたいし。
あー!婚約指輪も買わなきゃね。猛のお給料の三倍分以上だからね〜。あとね…」
「…」
はぁ。歳もまだ若いし、ずっと実家暮らしでいたせいもあるから…、一度に色々要求しても無理だとは思っていたけど…。
改めて話すと、これだからな…。
俺が、はいはいって許容範囲を広げればいいのか…。
ご飯作ってくれるかどうかも危ういし…。
こんなんでいいのかよ…、結婚って。
みんな、こんなモノなのか?
こんなに、酷く無いよな。なんとなくしか解らないけど…。
このままだと、その内、結婚するんだよな。
はぁ…。俺は結婚にも、結婚生活にも、何も求めない事にした。
洗濯か掃除はしてくれる気はあるかな?…それもお義母さんが来るのか?
それとも、俺がずっとする事になるのか?…。
マナミ、悪いな…。
願わくは、結婚生活、長く続けられるといいけど…。