元通りになんてできない
「可愛いじゃないですか。さっきも態度がおかしくなった変なお兄ちゃんから、お母さんを守ろうとしてたし。
子供は凄いですね。凄い敏感だ」
「だから滅多な事は出来ないのよ。発言もね」
「そうですね」
「おかあさん、おなかすいた」
「そっか…。少し早いけど食べようか。
一緒に食べましょう、幸元君。三人分くらいはあると思うから」
「では遠慮なく」
棚ぼただけど、また鷹山さんのご飯が食べられる。
「あそこのテーブルに行きましょう。重くなるから持って来てなくて、お茶買って来ますね」
「あ、俺が行きますよ」
「悪いけど幸元君は知里を見ててくれる?すぐ戻るから」
「解りました」
「知里、いい子で待っててね」
「うん、たけるといる」
軽食コーナーで焼きそばとソーセージセットを買い、お茶を買って戻った。
このくらい足せば足りるかな。
お弁当を広げ、取り皿やフォークを出し、おしぼりを渡した。
「適当に作ったから豪華では無くてごめんね。遠慮しないで、好きなもの、好きに食べてね」
「はい、頂きます」
「いただきます」
知里を膝の上に抱っこした。
普段あまりしてあげられないから、甘やかしているように見えるかも知れない。
「知里、おにぎりにする?サンドイッチにする?」
「たまごの」
「サンドイッチね、はい」
「この間のお弁当、旨かったです」