元通りになんてできない
憂鬱は続く。
…疲れた。
そう言って風呂に入った。終始疲れた振りをした。実際、疲れていたから嘘ではない。
…一緒に寝る事、…これが…憂鬱なんだ。
特に求められる訳では無かったが、しな垂れかかるように抱き着くマナミを、抱えて寝るのが苦痛で堪らなかった。
…酷いな。
こんなに嫌悪を抱く程になるとは…。
一緒の時間がこんなに…嫌だと思うと何もかもが嫌なものに見えてくる。
マナミが早々に土産物屋で買った物の発送を頼んでいるから、「そんな適当でいいのか?」
と聞いたら「いいのよ、別に何でも」と言って自分の為の買物を優先し始めた。
みんな、そんなものか…、とも思う。
でも、それがマナミだからか…、マナミがしているのを見ると、何だか心もこもってなく、雑な感じがして不快を感じる。悪い意味の適当が過ぎる気がした。
性格は解っているつもりだが、更に何に対しても、自分を優先したいというのがはっきりと見えてしまって、…呆れてしまう。
俺は俺で、小さい女の子が好きそうな、可愛らしいものに、ついつい目がいってるし…。最低だな。
マナミの事も何も言えない…。
罪悪感のかたまりだ。