元通りになんてできない

外から戻って、帰り支度の鷹山さんとぶつかりそうになった。

「…ごめんなさい」

「…大丈夫です」

…。

「…あのね、幸元君。少し話しておきたい事があるの。
…そんなに長い話じゃないから、幸元君が都合のいい日、あったら教えてくれる?
知里は延長保育の連絡入れるから、当日でも大丈夫だからね」

「解りました。…早い方が良いですよね。そうですね…、水曜、どうでしょう?」

「私は、水曜でOKです。今週よね?」

「はい、今週です」

「あ、お土産、有難う。定番とか、限定とか、女子は好きなのよ。
おばさんもね。有難う、美味しく頂きました」

「いえ、お店の人が…、頼んでもないのに、テッパンだって、あれもこれもと親切に色々教えてくれたんです」

「お店の人って、若い女の子だったでしょ?」

「?。はい、そうでしたけど」

「フフ。じゃあ、ごめんなさい。
水曜に。お疲れ様でした、お先に失礼します」

「あ、はい、お疲れ様でした…」

…。

話って…。
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