元通りになんてできない
切り出して話したい話とは…。
アパートでの事か…。関連した事だよな、間違いなく…。
式の話を聞きたいなんて、…まずある訳無いし。みんなの居るところで話した方が話し易いだろうから。
何を聞かれても正直な気持ちで話さないとな…。
意識すると、人は何故態度がギクシャクするのだろう。
何も意識しなければ自然に出来てるのに。
ブーブー…。
番号宛にショートメール。
………。
【カフェ〇〇に居ます。鷹山】
【了解。幸元】
はぁ、まるで業務だな…。
このカフェ、場所は知ってる。
会社から離れた細い通りを抜けた処にある。
知る人ぞ知る、穴場的な静かなカフェらしい。
「こんばんは…」
「いらっしゃいませ」
キョロキョロしている俺に「奥へ…どうぞ」と頷いて手で誘導してくれた。
「オーダー、お伺いしておきましょう」
「そうですね…、取り敢えず、モカ、ホットでお願いします」
「畏まりました」
俺は奥へ向かった。
…こう言う造りになっているのか。
コーナーを曲がると、そこからはビジネスライク的というか。
割り切った話をするには丁度良さそうな造りだ。
仕事なら…まるで商談の為の個室だな…。