元通りになんてできない
はぁ…。我が子ながら、我が儘にもほどがある。結婚した女性が言う事だろうか…。
何からどう言えば良いのか…。呆れてしまう。
こうなってしまったのは、勿論、親の責任でもある。
出来ない子を嫁に貰ってもらい、感謝したいくらい、猛君には悪いと思ってしまう。
あの子が出来ない分、手助けだと思い、朝ごはんは、こうして私が作りに来ている。
まあ、これもマナミの策略に嵌まったようなもの。
実家の近くに住むように猛君にすすめ、いずれ、こうなる事を見込んでの事。
私がしなければ、しだすのではないかと期待したが、一向にその気は芽生えないらしい。
作らなければ猛君はそのまま行くだろう。もしくは、自分でパンくらい焼いてコーヒーを入れて済ませるだろう。
どうやら、掃除は休みの日に猛君がしてるようだし。
洗濯も…猛君がしている。
叱り付けて、するようになるなら、そうしたいくらいだけど…。
あの子には叱る事さえ無駄だ。
結婚前に料理教室に行きたいと言うから行かせたけど…。ただのスタイルの一つに過ぎなかった。結婚前は料理教室に通い、エステに行って手入れする。それがしたかっただけだった。
料理なんて、家で手伝っていれば、自然と家庭料理は作れるようになるものだ。
それで充分だ。
それが出来た上で、特別な時は料理本を見るなりして、凝った料理を作ればいいだろう。