元通りになんてできない
御馳走になり、お義父さんお義母さんが帰るのを見送ってから帰った。
知里は体くらいの大きなプレゼントをもらった。
持って歩けないから、私が代わりに持ち、手を繋いだ。
今は色々考えては駄目。元気にしていないと。
知里の記憶の中に、私は元気なお母さんで居たい。
「何だろうね、知里。じいじとばあばのプレゼント」
「おおきいね」
「大きいね〜。ばあばと遊んで楽しかった?」
「うん、たのしかった」
「そう、良かったね。ご飯美味しかったね…」
「…」
「知里?」
「おいしくない…」
「…知里?」
「おかあさんのごはんがおいしい」
「知里…」
…もう…駄目。
「からくてしょっぱかった」
確かに、お店の料理の味付けはしっかり付けてあるから。…ず…ふっ。…泣いては駄目。
「…お腹一杯になってないなら、帰ってからまたご飯たべようか?」
「うん」
「おかあさんもね、本当はお腹ペコペコなんだ〜」
「おかあさんも?」
「うん、だから帰ったら食べよう」
「うん!」
…涙がこぼれそうになるのを必死に堪えた。
「何作ろうかな~?」
「な~」
…知里。