元通りになんてできない
吐露
「気の向くまま起きて…食べたい物、食べて。…好きなようにして…」
「……結婚…、してみたかったの…」
「なんの話?したじゃない。何言ってるの?今、聞きたい事はそんな事じゃないのよ」
「…結婚してみたかった。みんなに自慢出来る彼が欲しくて…、知り合いを通して猛を紹介してもらった、…強引に…。
こんなとこで結婚式が出来るなんて羨ましいって、言われるような場所で式がしたくて…。
婚約指輪も…、会社でみんなに聞かれるし、見られるから…、凄く豪華なものが欲しくて…。
綺麗で豪華な好きなドレスを着たくて…。
結婚してみたかったの。
だけど…、毎日ご飯作ったり、掃除したり、洗濯したりする生活がしたかった訳じゃない…。結婚式がしたかっただけ。格好いい旦那さんが良かったの!」
「…何言ってるの?マナミ…」
「…はぁ。だ、か、ら、さっきから言ってるでしょ?!何度も何度も同じ事聞かないで。結婚生活なんて、したくないんだよ。お母さん…、ご飯作りなさいとか、掃除、洗濯だって、猛にばっかりさせてるって、煩いし。
でも、猛は何も言わないよ?怒らないもん!」
「……。マナミ、離婚…したいと思ってるの?」
マナミは首を振る。
離婚しようとは思ってないのね…。
「結婚してないもん」