元通りになんてできない


大袈裟にはしない。
何でもない事のように…。最初からそうだったと思えばいい。

「知里?このおもちゃは?いる?いらない?」

「ん〜んと、いる」

「解った」

身の回りのモノ、洋服、持って行ってもどうなるか解らないけど、私は、知里に確認しながら荷造りする。
返ってくる言葉通りに…。

サイズが小さいから大きな構えにならないものだ。
業者に頼むような荷物にはならない。

総てを普通通りにという私の希望を聞いてくれて、保育所もいつもと変わらず、(亜希先生は泣いていたが大(おお)先生に慰められていた)さようなら、と挨拶をして帰った。

そろそろ、じいじとばあばが迎えに来る。



私は話すと決めた夜、知里とお風呂に入りながら話した。

長い話では無い。
湯舟に浸かり、抱っこした。

「知里、お母さんの話をしっかり聞いて?いい?」

「うん」

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