元通りになんてできない
鷹山さんも今日は遅くまで仕事をしている。
俺が心配することではないけど、迎えはいいのだろうか。
俺は周りのみんなに、先に上がる事を告げ、会社を後にした。
カフェに着いた俺は、連れが来る事を伝え、普通の席で待つ事にした。
営業時間の確認をしたら、アバウトです。何時まで居てくれても結構ですよ、と言われた。
ご飯はオーダー何時まで通せるか聞くと、大丈夫です、それもアバウトです、と言われた。
連れが来るとは告げたがどうなるか解らない。コーヒーを注文した。
俺はジリジリした思いで待ちながら、考えを巡らせていた。
目立って様子が変わったのはいつ頃だっただろう。
クリスマス前か、もっと前か…。
段々と元気が無くなって…。年明けからも益々元気なさ気で。
春になる頃には、中身が何処かに行ってしまったんじゃないかと思うくらい、静かだった。
そう表現すると、大人しい事の例えのようだか、違う。
静かなのは気力のない抜け殻だったからだ。
コーヒーがきた。よく香った。
ミルクを入れ、軽く掻き混ぜた。