俺様悪魔VS僕系天使


「ご飯は食べていくでしょう?」

「うーん、もうすぐ夏夜が来ちゃうから少しだけ食べようかなぁ」

キッチンからひょいと顔を出したのはお母さんの眞奈美。


通学カバンを玄関に置いてから、椅子に座って湯呑に注がれた緑茶をゆっくりと味わう。


「あー、おいしいっ」


「美瑚は昔から緑茶すきだよな。
そいえばお前、今日も朝から話し合いあるのか?」


隣の席から頬杖をついて話しかけてきたのは、お兄ちゃんの紅矢。『紅』の『矢』って書いて『こうや』って読むんだよ。

優しくてかっこよくて、私の自慢のお兄ちゃん!

そんなお兄ちゃんは、今は大学に通ってるんだ。


「うん。
もう少しで明化祭(めいかさい)だから急いで話し合いしなきゃいけないの」


明化祭っていうのは、明鏡高校文化祭の略で、私たちの地元では《明化祭》って呼んでるの。
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