俺様悪魔VS僕系天使
「アイツのいい噂はきかない。だから―」
私の中で何かがプツンと切れた―ような気がした。
「――爽くんとは関わるな、
田中くんはやめとけ…って。
なんで、あんたにそんな事言われなきゃいけないわけ!?
私が誰と何をしようと、誰を好きになろうと、私の自由でしょっ。あんたなんかに関係ない! もう放っといてよ!」
「あ、オイ…っ」
悔しくて、かなしくて。
何よりも、腹ただしくて。
咲間が焦ったように声をかけるのを無視すると、私は踵を返すと走り出した。
(きらい…嫌い…っ)
あんなやつ、大っきらい!
咲間が小さなこえで「貝崎…」と悲しそうに呟いたのが、私の耳に入ることは無かった。