BEAST POLICEⅢ
「1500メートル先のT-34戦車のフェンダーに命中して貫通するほどの銃だ。お前の頭なんて熟したトマトみたいなもんだぜ」

オルロフが嘲笑う。

「……」

物陰に身を隠したまま、倉本は歯噛みした。

射程距離も、威力も、オルロフの持つ銃の方が圧倒的に上だ。

あんな銃で撃たれれば、掠めるだけで致命傷になりかねない。

流石は死の商人、とんでもない銃器を持っている。

「ほら、頭を出してみろよ。この銃の試射はまだだったんだ。威力を試させてくれ」

挑発するように言うオルロフ。

「……」

だが倉本は冷静沈着に、思考を巡らせる。

銃の性能ならば不利。

しかし使い方次第で、こちらにも勝ち目はある。

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