BEAST POLICEⅢ
爆発がおさまる頃、既にオルロフの姿はなかった。

爆発に乗じて、まんまと倉本の追跡から逃れたのか。

「くそっ!」

珍しく感情を露わにし、倉本は拳を地面に叩きつけた。

あと一歩の所まで追い詰めていながらという悔しさもある。

しかし、それよりも別の感情の方が大きい。

まさか、オルロフが倉本の仇敵であったとは。

千尋を殺したのがオルロフだったとは。

ずっと死の真相が分からぬままだった千尋。

警察組織と暴力団との癒着を暴いた事から本庁内部で孤立したのが辞職の理由ならば、それでも倉本に警察への未練を抱かせ続けたのは、千尋の死が理由だ。

< 119 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop