BEAST POLICEⅢ
「……倉本さん?」

その様子に、すぐに気付く美奈。

「どうしたの?他にどこか痛む所が?」

「いや、大丈夫だ。すまない」

治療が終わり、倉本はYシャツと紺の背広を羽織る。

普段から無口な男ではあるが、その横顔はどこか鬼気迫るものがある。

「自分はまた出かけてくる。巽はしっかり休養をとれ」

診療所を出ていこうとする倉本。

その手を。

「!」

美奈が摑んだ。

「誰が治療が終わったなんて言ったの?次は問診よ」

強引に倉本を座らせる美奈。

「カウンセリングも治療の一環だから」

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