BEAST POLICEⅢ
「有尖無刃器を用いて、運動神経の束が通っている頸椎を刺して殺す」

アイスピックという名の毒針を突き付けたのは、暗殺者・雪村 亮二だった。

「お前に技術を教えた記憶はないがな…」

「な、何の話だ」

「殺したんだろう?倉本 千尋を。よりによってあの野獣の番(つがい)を」

亮二のアイスピックが、1ミリばかりオルロフの喉に刺さる。

「随分お粗末な殺り方をしたそうじゃないか…痙攣させ、悶絶させて殺したと…真の使い手は、無用な苦痛など与えはしない。俺と同じ殺り方で、そんなヘマをやらかされては、俺の殺しの質が疑われる…」

有尖無刃器の暗殺者として、質の悪い殺しは見逃す訳にはいかないと。

亮二はオルロフを殺しに来たのだ。

< 135 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop