BEAST POLICEⅢ
反射的に叫んだ巽は、同時に枕を間仕切りカーテンの向こうの男に投げつける!

枕とはいえ、ぶつけられてよろめく男。

その隙に、巽は男に体当たり!

2人は縺れ合って転倒する!

「何?どうしたのっ?」

奥の部屋から美奈の声がするが。

「出てくるな!その部屋にいろ!倉本さんに連絡するんだ!」

立ち上がりながら、巽は身構えた。

「くそ…勘の鋭い奴だ」

巽の目の前で立ち上がったのは、忘れる筈もない、彼に拷問した男、オルロフだった。

「眠ってれば、一思いにトドメを刺してやったのによ」

「どういう風の吹き回しだ。とっとと日本をトンズラするつもりじゃなかったのか?ビジネスマン」

巽は包帯だらけの体でオルロフを牽制する。

丸腰だ。

拳銃を持っているオルロフ相手にどこまで戦えるか。

「そのビジネスを、お前らにメチャクチャにされたんでな、気が変わった」

オルロフは自動拳銃スプリングフィールドXDの銃口を向ける。

「お前らはぶち殺す事にする」

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