BEAST POLICEⅢ
怒りが収まらない。

つらつらと冷静に倉本と巽を評価する亮二の取り澄ました顔が、何とも気に入らなかった。

俺は奴らの事ならお前よりもずっと熟知している。

そう言いたげな顔が、やけにオルロフの癇に障った。

だから。

「だったらお前が奴らを殺してみろ!」

そんな台詞が口をついて出てしまう。

「随分あいつらの事を評価しているようじゃないか!なら奴らの事を知り尽くしたお前の方が、俺より上手く奴らを殺れるんだろうっ?そうだろうっ?」

「…それは、依頼という事でいいのか?」

「何っ?」

オルロフの前で、亮二の周囲の空気が急激に温度を下げていく…ような気がした。

「暗殺者としての俺に対する、正式な殺しの依頼…そうだというのならば受けるが…?」

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