BEAST POLICEⅢ
亮二の予想通り、巽の指には鋼線が食い込み、皮膚を裂いて肉を切っていた。

ポタポタと血が滴り落ちる。

しかしお陰で、首を絞め上げる鋼線が緩んだ。

その隙に素早く鋼線を解き。

「雪村ぁっ!」

ショルダーホルスターからコルトローマンを引き抜いた巽は、屋上目掛けて乱射!

亮二はすぐに上体を引っ込めて射線から逃れる。

「どうしたどうした」

攻防を見ていた松岡が、腕組みして笑う。

「おめぇほどのもんが、みっともねぇやな。苦戦してるじゃねぇか」

「……」

反論もする事なく、亮二は黙っている。

傍らに立っていた伊庭が、背負った忍刀に手をかけるが。

「伊庭」

亮二は一声で制した。

「お前は『あの3人』の回収を頼む」

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