BEAST POLICEⅢ
劣勢の筈だった。

追い詰められている筈だった。

しかし伊庭と松岡が目を向けると。

「きゃあっ!」

ちょうど奈美が、脇腹にボディブローを受けて吹き飛ばされる所だった。

「このっ!」

回転するトンファーを振り上げ、遠心力たっぷりの一撃を見舞う千里!

だが打ち下ろすよりも早く、倉本の下段蹴りが千里の出足を止める。

その場に釘付けになってしまってはいい的だ。

彼女もまた。

「あう゛っ!」

倉本のボディブローで懐から弾き出されてしまった。

「……」

残心(技を放った後に特定の型で身構える、相手との間合いを考慮して反撃方法を選ぶといった一挙動)を行いながら、倒れた2人を見る倉本。

「お前…」

残された景子は歯噛みする。

「リズムを計っていたのか…私達3人のコンビネーションのリズムを…」

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