BEAST POLICEⅢ
バックハンドブローを受けても尚、倉本は倒れる事なく踏み止まった。

視界が歪む。

脳震盪を起こしかけているのか。

それ程の松岡の剛拳だった。

拳獣と呼ばれる理由も納得できる。

クリーンヒットならば一撃で撲殺されていただろう。

「いいね、面白ぇよお前」

血混じりの唾を吐き出し、松岡もまた壮絶に笑う。

「暗殺者なんてやっちゃいるが、命ギリギリの戦いほど愉しいものはねぇ…お前もそう思うだろ?」

「自分は殺し合いが愉しいとは思わん…だがお前の技量には感服する」

肩で息をしながら、相対する2人。

「お堅いねぇ」

グルンと首を回し。

「もっと自分に正直に愉しもうぜ!」

松岡は右拳を突き出す!

これを回避してボディブローを繰り出す倉本。

しかし松岡もカウンターで、膝を突き出して倉本の鳩尾を狙う!

結果は相討ち。

急所に入り、両者は大きく後退した。

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