BEAST POLICEⅢ

「最期まで認識は変わらなかったようだな…」

射殺されるオルロフを見ながら、亮二は静かに呟いた。

倉本達を人間だと考えているから、あんな位置から狙撃しようとする。

彼らを野獣と認識していれば、匂いで位置を特定される風上からは狙わない。

彼らを野獣と認識していれば、不用意に殺気など感じさせない。

彼らを野獣と認識していれば、手負いの時には狙わない。

何故なら手負いの獣が一番恐ろしいから。

「ちっ…勿体ねぇな」

松岡が心底残念そうに舌打ちするが。

「またの機会があります」

亮二は躊躇いなく踵を返した。

「俺達は暗殺者、奴らは警察…嫌でもまた接点がある…」