BEAST POLICEⅢ
新宿歌舞伎町。

東洋一の大歓楽街と呼ばれる眠らない街。

その一角にある雑居ビルの2階で、一人の女医がスマホ片手に電話している。

「そう…なら環さんは無事なのね。よかった」

安堵の溜息をつくのは、この雑居ビルで診療所を営んでいる田中 美奈(たなか みな)。

まだ20代ながら、救命病棟で勤務していた確かな医療の腕を持ち、祖父からこの診療所を受け継いで切り盛りしている。

美奈はある事件で倉本達と知り合い、以来この診療所は、彼ら御用達となっている。

「ええ、倉本さんの頼みなら。うちでも何人か患者さんを引き受けられるわ。怪我は銃創が主なのね?」

美奈は倉本から依頼を受け、銃乱射事件で撃たれた生徒や教員の治療を引き受けていた。

「それにしても怖いわね…普通の生徒が銃乱射なんて…どこでそんなもの手に入れたのかしら…」

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