BEAST POLICEⅢ
結局オルロフの所在は杳として知れず。

現在、ロス市警の友人や外事四課にも応援を要請して調査中だが、尻尾すら摑む事が出来ない。

だがオルロフ本人がいなくとも、彼の『商品』は幾らでも密輸されている。

昔は駐留米軍からの横流しだった密輸だが、現在は貨物船の船員を抱き込んで持ち込ませたり、積荷に紛れ込ませたりが王道の手口だ。

ベトナム戦争の頃は、サイゴンから屑鉄を積み込み、その中にアメリカ製の武器を仕込み、持ち込んだという。

今は、中国やロシアが多いといわれる。

コンテナ船のコンテナを二重壁にして、大量に密輸したのが摘発されたり、部品の状態にして持ち込み、国内で組み立てる。

昔の法律では、引き金などの部品が無いだけで武器密輸にならず、関税法違反でしか問われなかった時代もあったのだ。

密航船などで、密航者が持参したり、漁船などで沖まで行き受け渡しをする。

何年か前には、ロシア人が蟹とトカレフを持ち込んで、中古車を買って帰るなどと言われていた。

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