BEAST POLICEⅢ
取り調べ室から出て、倉本と巽は溜息をつく。

手口が分かっても、元締めを叩かない事には、死の商人の流通ルートを叩いた事にはならない。

密輸ルートは所詮末端でしかないのだ。

司令塔であるオルロフは無傷のまま、また新たな密輸ルートを確保して銃をばら撒き続ける。

散発的な摘発は、鼬ごっこでしかない。

ニョロニョロと動く蛇を仕留めるには、やはり頭を潰すしかないのだ。

毒牙を持つのは、頭なのだから。

「…待てよ」

巽が何かを思いついたように呟く。

そう、オルロフ本人は司令塔でしかないのだ。

世界中にいる手下に、銃器密輸の指示を出すだけでいい。

必ずしも、銃器のそばにいる必要はないのだ。

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