BEAST POLICEⅢ
巽は話に聞いたその公園に、訪れてみた。

男の言葉通り、ABBAを背にして公園にアプローチすると、公園が真っ先に目に飛び込んできた。

流石に繁華街のど真ん中。

観光客に道を教えたり、周囲に鋭く目を光らせていたりと、見えるだけでも4人の警察官が詰めていた。

これじゃあ売(バイ)なんて出来っこないだろ。

そう思いながら、交番の前を素通り。

建物の向かって左手は広場になっていて、その中央にはあの時男が言っていた通り、口から水を迸らせるカエルの石像が鎮座していた。

広場では、携帯や荷物を片手に、そこらに立ったり植え込みブロックに腰掛けたりして、多くの人間が寛いでいた。

のどかな午後の観光名所といった趣。

やはりここで売など無理だ。

確かめるだけは確かめた。

公園の風景をぼんやりと眺めながら、緩々とそのまま公園を出ようとする…と。

「!」

いた。

交番の斜め後ろの木立の脇に、外国人の男が立っていた。

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