BEAST POLICEⅢ
「殺さない程度なら遊んでいいって言ってたからな」

「……」

「俺もな、お前の声をちょっと聞いてみたくてよ」

ドリルを回転させながら、ゆっくり近付いてくる男。

その尖端を、巽の腹にあてがう。

「煙草の火押し付けられても、カッターナイフで切られても泣き入れなかったお前だが、コイツは耐えられるかな?」

巽の顔を見ながら、ニヤニヤ笑う男。

巽の恐怖に引き攣る表情が見たいのか、視線は顔に張り付いている。

だから気が付かなかったのだ。

「はおっ!」

巽の足が跳ね上がり、自らの股間に蹴り込まれるのを。

男の股間から、ボタボタと血が滴り落ちる。

完全に潰れていた。

だがその程度では終わらない。

巽は両足を跳ね上げて、男の首を挟み込むと、そのまま脚力で絞め上げる!

一般に足の力は腕力の3倍と言われる。

脚力を鍛え、蹴り技を得意とする巽ならば尚更だ。

如何に大柄な白人とはいえ、抗う術はない。

絞殺など手緩い事はしない。

巽は一気に首をへし折り、男を黙らせた。

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