BEAST POLICEⅢ
そのまま振り子の要領で全身を大きく振って、巽は反動を利用して天井に吊り下げられた手錠を外す。

両手はまだ繋がれたままだが、何とか手は使える。

彼は自身の警察手帳と愛銃コルトローマン2挺を手にして、部屋を出ていった。

拘束しているとはいえ、見張りたった1人に任せたのが間違いだ。

野獣は手負いが一番恐ろしい。

特に犯罪者相手ならば、巽は殺害をも厭わない。

拷問による全身の傷が痛む。

特に肩の傷は、拷問によって更に痛めつけられて悪化していたが、今はそんな事は言っていられない。

オルロフが仲間を連れて外出している今が好機。

よろめきながら、巽は外を目指す。

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