BEAST POLICEⅢ
しかし、そんな悪魔の拷問からたった1人で脱出し、生還してきた巽も巽だ。

「オルロフが悪魔なら…俺は野獣だからな…」

ベッドに横になったまま、掠れた声で言う巽。

「よく言うわ…そんな大怪我負わされておきながら軽口なんて…」

美奈と環が呆れたように顔を合わせた。

だが、巽だけではない。

野獣はここにもう1人いる。

無言のまま、両手に黒のレザーグローブをはめる倉本の姿。

「倉本さん…行くんスか」

「ああ」

巽の問いかけに、振り向く事なく倉本は答えた。

「所轄内の警察官が、数百名体制でオルロフの捜索に当たっている。奴は逃がさん。必ず追い詰める」

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