ずるい、ずるい、ずるい。

「いいないいないいなー!」

「咲希ずるいー、私も隣がよかったのに」

「なんで10番ひかなかったんだろー」

昼休み。
給食を食べ終わり、凛ちゃんとお話中。

凛ちゃんは窓側の一番前で隣が前と同じ人だったらしい。


「よく見えませんって言って、変えてもらおうかな」

「なにそれ!もったいないなぁ」

「私、あいつ苦手だし」



「そんなに苦手?」


この声はまさか

「すすすすす杉下くん!」

気持ちがいっきに冷めたのが自分でも分かった。

「うわあ」

「田井中さんとのテンションの差すごいね」

「きゃーっ!名前呼ばれた!
咲希もう私だめだ」

「岡本さんやっほー」

「けっ」


凛ちゃんがここまで夢中になれる意味が分からない。
凛ちゃんだけじゃない、ほかの女の子もだ。

何がかっこいいんだか。


苦手。嫌い。
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