白雪と福嶋のきょり
受話器を戻しどうしたの?と聞いてくる白雪への説明を情報処理室へ来いってと最後の指示だけを伝えてそこへ向かうと。

今年赴任したばかりの新任教師がコピー機に貼り付き、教卓に設置されたパソコンの前に東雲が座っていた。

「白雪も残ってたのか。」

俺の横にいた白雪に睫毛を僅かに動かす程度の反応を見せた東雲に白雪は、いつもの仕草で返した。

「中止ってどういう事ですか」

一日に何度も見るそれから視界をずらし、東雲に質問すると返ってきたのは。

コピーし終えた後、新たに二枚追加する様コピー機に張り付く新任教師が学年主任に言われていたらしく。

「えーまだあるのー?」

そして追加するのを忘れていたと。

「悪いお前ら。残ってもらったけどもう帰れ。時期に暗くなる。」

この部屋で一つだけ起動するパソコンを覗き込むと、”修学した事を踏まえた上で以下の社会問題をどう捉えどう解決していくべきかを述べよ”

確認したページ数の次の数字と、実に修学旅行後のレポートらしい課題が表示されていた。
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