白雪と福嶋のきょり
早く動き出さなければ、あの量は間違いなく二時間はかかる。

「福嶋?」
「その間に、俺が他の先生方に許可をもらってきます」

作業手順を脳内で組み立てながら、横で此方をほけと見る白雪の顔が緩んでいくのを目の端で捉える。

「白雪は俺が送り届けます。白雪と俺の家は遠くない。俺が家に帰ったら連絡入れます」

東雲の眉間に皺が寄る。提案を様々な視点から見ているのか。又は白雪と俺を諦めさせる決定打を探しているのだろう。

「お願いしますっ先生!」

けれどそれがもし後者だったとしても白雪は間違いなく引かない。

そういう奴なのだ。

「分かった」
「ありがとうございます!良かったね福嶋、」



12年間ずっとクラスメイトなのだ。それ位幼稚園の時から知っている。
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