白雪と福嶋のきょり
「バカだな」

みんなが見たら卒倒してしまうんじゃないかと思うくらいのかっこよさに。

「(わ、)」

もう12年来のクラスメイトな私も、思わず心が一つ跳ねてしまう。

「そ、そうよ私は不器用です。何か?」
「ふ、ほらもう終わるからあっちのセット作ってくれ」
「また!もうふくしまっ、」

今日も授業が終わった後先輩に呼びだされていったと、鼻を膨らませながらリカが色んな人に言い回っていたけれど。

もし私がこのことを言い回ったら、何とかしてその笑顔を見ようと女子が殺到するのは明瞭で。

「ほら早く」

仕返しに明日学校中に言いまわってやろうかと思っていたのに。

福嶋の心地よい声に身体はとても従順に動いてしまった。チクショウ。
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