白雪と福嶋のきょり
空港から直接バスでホテルへと向かい、各部屋へと入る。
「うおー!すげー!」
気候に順応した組の奴らが荷物を放り投げて真っすぐバルコニーへ靴を履いたまま出る。
誰かが土足で歩いてしまえばもう靴を脱ぐ気など失せ、荷物をベッドへ置いた後自分も土足のままでバルコニーへと出ると、空色と瑠璃色が綺麗に分かれた景色があった。
「凄いな」
感嘆が言葉として零れてしまう程の景色から少し下へと視界を落とせば、南国ならではな樹木や統一感のないカラフルな色で埋まるビーチ、展望台まで続くウッドデッキが続いている。
ある程度見渡した後に再度視界を前へと戻した時、至極生温い風が髪を弄びだした。
「ひゃー!風が熱いって意味わかんねー。気持わる。」
「冷房入れようぜ。おいサカキ!冷房入れろ!」
「あ…う、うん。」
確かに周りの奴らの言う通り気持ちのいい風とは思えない。
「福嶋閉めるぞー。」
「おう」
だが、そんなに悪くないと思う。
隔てるものが目の前に何もなく海と空から直接届くこの風には、綺麗すぎず自然の匂いが強く混じっている。
長時間感じているにはきつい程のその風の後ろから、不躾な稼働音と共に脹脛を刺激しだした人工の風に、ガラス扉を開けて部屋へと戻った。
「うおー!すげー!」
気候に順応した組の奴らが荷物を放り投げて真っすぐバルコニーへ靴を履いたまま出る。
誰かが土足で歩いてしまえばもう靴を脱ぐ気など失せ、荷物をベッドへ置いた後自分も土足のままでバルコニーへと出ると、空色と瑠璃色が綺麗に分かれた景色があった。
「凄いな」
感嘆が言葉として零れてしまう程の景色から少し下へと視界を落とせば、南国ならではな樹木や統一感のないカラフルな色で埋まるビーチ、展望台まで続くウッドデッキが続いている。
ある程度見渡した後に再度視界を前へと戻した時、至極生温い風が髪を弄びだした。
「ひゃー!風が熱いって意味わかんねー。気持わる。」
「冷房入れようぜ。おいサカキ!冷房入れろ!」
「あ…う、うん。」
確かに周りの奴らの言う通り気持ちのいい風とは思えない。
「福嶋閉めるぞー。」
「おう」
だが、そんなに悪くないと思う。
隔てるものが目の前に何もなく海と空から直接届くこの風には、綺麗すぎず自然の匂いが強く混じっている。
長時間感じているにはきつい程のその風の後ろから、不躾な稼働音と共に脹脛を刺激しだした人工の風に、ガラス扉を開けて部屋へと戻った。