白雪と福嶋のきょり
「楽しそう」
「俺達が手伝うのは消えた蝋燭に火を付けるのと片付けだけですか?」

ロウソクで作る文字ばかりを見ていた私の横で、福嶋がどこを見ていたのか急いで確認したけれど分からなかった。

「ああ。だからお前らは見れねえんだけどな。」

だからもう福嶋に頼ってしまおうと手伝う仕事を探すのは潔く諦めて紙を二つに折った。

「私は大丈夫です。むしろやりたい」
「俺も構いません」
「先週といい助かるよ。」

後ろでパソコンに取り込み終わった画像のチェックをしていた新任の先生が、俺は多分二度と頭が上がりません。と零した時には、笑ってしまった。


その横で福嶋ははるか先生に何か質問をしていたけれど、気にせず笑った。
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