すまいる。~青空の下の青春~
#プロローグ#
雲一つない青空の下で、白いジャージ姿がキラキラと輝いている。
「頑張ってー!ペースあげて!あと少し!!行けっ!!」
その輝く彼に向かって私は声を送り続ける。
「ゴール!!…自己新記録まであと3秒!惜しい!!」
「まじ!?あと3秒だったのか…めっちゃ悔しい…」
額にはすごい汗。
でもそれは太陽に反射してキラキラと輝いていて、
とてもかっこよく見えた。
「じゃ、放課後に期待!またタイム計ってあげるから!」
「おぅ!よろしく!!」
「おい、怜。朝から彼女とイチャイチャすんなよ~~」
「だから、彼女じゃないですって!イチャイチャもしてないし~!」
「おい、先輩に向かってなんだその口の利き方は~~!!」
「ちょ、先輩やめてくださいよ~~~」
これもいつものこと。
彼は先輩からも後輩からも人気だから。
これが私の一日の始まり。
こうやって青空の下で私の一日は始まる。
そして。本当の”青春”のスタートラインの日でもある。
そんな日になろうとはこの時の私はまだ知らないけどね。