コールセンターの恋愛事情
「俺、今回ばかりは小笠原が何を考えてるのかわかんない」

辻本さんは宣言するように言った後、テーブルのうえに突っ伏した。

「一体何がしたいんだろうな…」

内場さんは呆れたと言うように息を吐いた後、わたしの方に視線を向けた。

彼がわたしを見た瞬間、心臓がドキッ…と鳴った。

「あの…何ですか?」

そう聞いたわたしに、
「須知ちゃんはどう思う?」

内場さんが聞き返してきた。

「ど、どう思うと言われましても…」

わたしはどう答えればいいのかわからなかった。

突然視線を向けられたうえに話しかけられたことにも驚いたのはもちろんのことなのだが、何よりも内場さんがわたしを見た瞬間に心臓がドキッと鳴ったことに驚いた。
< 110 / 160 >

この作品をシェア

pagetop