コールセンターの恋愛事情
「今からですか?」

わたしは聞き返した。

「この近くに神社があるんだ。

せっかくだし、行こうよ」

そう言った内場さんはダッフルコートをすでに身につけていた。

「別にいいですけど…」

このまま帰ったら後は寝るだけである。

そう思いながら、わたしはピーコートとマフラーを身につけた。

コールセンターを後にして近くにあると言う神社へ足を運ぶと、
「いっぱいだね…」

あまりの人の多さに、内場さんが呟いた。

「みんな、きたんですね…」

そう呟いたわたしに、
「きたんだよ、きっと」

辻本さんが答えてくれた。

「たぶん、すぐだよ」

そう言った辻本さんにあわせるように、わたしたちは行列に並んだ。
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