コールセンターの恋愛事情
電車を乗り継いで到着したところは、雑居ビルだった。

「すっげー緊張する…」

そう言ったのは内場さんだ。

「まあ、久しぶりだからな」

辻本さんは言い返すと深呼吸をした。

ようやくきた初仕事に、わたしはドキドキとワクワクが入り混じったような感覚に包まれていた。

「じゃ、入るぞ」

辻本さんが言ったのと同時に、わたしたちはビルの中へと足を踏み入れた。

「ごめんください、『名取商事』の者です…」

内場さんが中に呼びかけたのと同時に、
「わっ!?」

「きゃっ!?」

「ぬおっ!?」

どこからか黒服の男たちが飛び出したかと思ったら、彼らはわたしたちをつかまえた。
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