コールセンターの恋愛事情
「わっ!?」

「イテッ!?」

「グェッ!?」

黒服たちがわたしたちを放り投げたかと思ったら、ドアが閉まった。

「イテテ…。

ここって、ヤクザか暴力団の事務所か?」

辻本さんは鼻をぶつけたらしく、手でそこをさすっていた。

「今時アーモンドを種と勘違いをする人がいるんだね、アイタタ…」

内場さんは肩をさすりながら躰を起こした。

わたしはぶつけた腰をさすりながら、周りを見回した。

地下室と言っていたので、当然日の光はない。

代わりにあるのは蛍光灯の薄暗い明りだけである。

脱出できる場所と言えば、先ほど入ってきたドアだけである。

当然、地下室なので窓はない。
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