コールセンターの恋愛事情
地下へ下りると圏外になって連絡を取ることができないから、黒服とさっきの親分はわたしたちの躰を縄で縛るなんて言うことをしなかったのかも知れない。

「ああ、ごめん…。

とりあえず、どこかに助けを求めないと…」

辻本さんはどうしたもんじゃろかと言うように腕を組んだ。

「助けを求めるのはいいけど、敵に知られないようにしないと。

もし敵に知られたら…」

内場さんは頭が痛いと言うようにこめかみに指を当てた。

もし敵にそのことを知られてしまった場合、わたしたちの命は間違いなくないだろう。

「最悪の場合、須知ちゃんだけでも生きて帰らせなきゃ…」

そう呟いた内場さんに、
「そんなのダメです!」

わたしは首を横に振った。
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