コールセンターの恋愛事情
そう言ったわたしに驚いたと言うように、辻本さんと内場さんの視線が向けられた。

彼らを残して、自分だけが生き残ろうなんて言う考えはわたしの中になかった。

「わたしだけなんてそんなの嫌です!

絶対に3人で生きて帰りましょう!」

奇跡とも幸運とも言うべきか、わたしのスマートフォンは圏外じゃなかった。

だから絶対に3人で生きて帰りたい。

辻本さんは根負けしたと言うようにフッと笑うと、
「そうだな」
と、呟くように言った。

「一瞬でもそう思った俺が間違ってた」

内場さんは申し訳ないと言うように謝った。

よかった…。

彼らが正気に戻ってくれたことに、わたしはホッと胸をなで下ろした。
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