コールセンターの恋愛事情
そもそもの発端はお昼休みである。

「じゃあ、飯食いに行ってくるから」

辻本さんはそう言って椅子から立ちあがると、ここから出て行った。

もうお昼か。

時計を見ると、１２時を過ぎたところだった。

「じゃ、今日は何を食べようか？」

同じく内場さんも椅子から立ちあがると、黒のエプロンを身につけた。

１ヶ月勤めてわかったことだけど、内場さんは料理が得意みたいでお菓子や昼ご飯は彼が全て作っている。

「何でもいいです」

正直なことを言うと、躰を動かしていないうえに頭も使っていないからお腹は全くと言っていいほど空いていなかった。

そう答えたわたしに、
「何か食べたいものがあったら言っていいから」

内場さんはそう言った後、キッチンの方へと足を向かわせた。
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