コールセンターの恋愛事情
これは立てこもり事件、わたしたちは猟銃の男の人質になってしまったと言う訳である。

警察は一体何をしているんだ?

幸い辻本さんは本社の方に向かっていたおかげで立てこもり事件に巻き込まれずに済んだけど、彼は彼で無事なのかどうか不安である。

ツンツンと、内場さんが指でわたしの小指を突いてきた。

何ですかと言うように内場さんに視線を向けると、彼は男に話しかけると言うように目で示した。

そんなムチャクチャな!

もし逆上して暴れて、それこそ発砲されたらどうするのよ!

そんなわたしの心配に気づいていないと言うように、
「――あの…」

内場さんが男に話しかけた。

男はどうしたと言うように、内場さんに視線を向けてきた。

「どうして…その、こんなことをしているんですか?」
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