コールセンターの恋愛事情
「奇数の月は女性社員、偶数の月は男性社員にインタビューして特集するコーナーなんだ」

そう説明してくれた辻本さんに、
「へえ…」

わたしは呟くように答えることしかできなかった。

何だかいろいろなことをやってるね、この会社。

「今月は物販部の蔵野知親(クラノトモチカ)だってさ」

そう言った内場さんに、
「あいつもとうとう紹介されるようになったか…」

辻本さんが記事を覗き込んだので、わたしも記事に視線を向けた。

なるほど、これはイケメンだと騒がれるな。

軽く横へと流した黒髪に少し長めの前髪から覗いている三白眼の瞳、小さな鼻に厚くもない薄くもない唇…芸能人なのかと思うくらいのイケメンだった。

写真も充分いいけれど、実物はさらにいいんだろうな。
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