コールセンターの恋愛事情
今日も特に仕事がないまま、定時を迎えた。

ピピッとタイムカード――仕事がないのにタイムカードは支給されるのね――を押すと、
「お疲れ様でしたー」

まだ帰り仕度をしている2人に声をかけた。

「気をつけて帰ってね」

内場さんの返事に、
「はーい」

わたしは返事をすると、この場を後にした。

「わーっ、まだ降ってるなあ」

さすが梅雨である。

黒地に白い水玉模様の傘を広げると、わたしは歩き出した。

天気予報では明日の夜まで雨が続くと言っていた。

いい加減にやめばいいのに…。

そう思いながら歩くと、桜並木が続いている道へと出た。

2ヶ月も経つと桜はすでに散っていて、その代わりに緑色の葉っぱが生い茂っていた。
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