コールセンターの恋愛事情
「チカ――子供の頃は蔵野くんのことをそう呼んでいたの。

1人でいた私に彼は“君はどこの家の子どすか?”って声をかけて、干し芋を差し出してくれたの。

その時からチカと一緒に遊ぶようになった。

彼は私の瞳を見ても怖がらなかった。

“外国のお姫様みたいだ”って言って、私の瞳を褒めてくれたの」

松本さんは話を続けた。

「小学校の低学年の時は毎日のように一緒に家に帰って、一緒に遊んだわ。

3年生の時にクラス替えがあってチカと離れたんだけどね、チカったら帰りになると隣の教室にいる私のところにやってきて“一緒に帰ろう”って誘ってきたの。

まあ、断る理由も特になかったから一緒に帰ったんだけどね」

「仲がよかったんですね」

そう声をかけた私に、
「その時まではね。

だけど、4年生になった時に私たちの関係は変わってしまったの」

松本さんが言った。
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