コールセンターの恋愛事情
「チカ」

松本さんが声をかけたとたん、蔵野さんは驚いたと言うように目を大きく見開いた。

「何でもない、呼んだだけ」

松本さんは首を横に振ると、目を伏せた。

「今日は天気がええな、天の川がキレイに見えてるよ」

蔵野さんが空を見あげたのと同時に、松本さんも空を見あげた。

わたしたちも彼らにつられるように空を見あげたら、
「おっ…」

「へえ、すごいな」

「都会なのに珍しいですね」

天の川がよく見えていた。

「エリは、俺のことをどう思っとるんだ?」

そう聞いた蔵野さんに、わたしたちは天の川から彼らの方に視線を戻した。

「大切な幼なじみだって思ってる。

チカの方こそ、わたしのことをどう思ってるの?」
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